自動1次処理プログラム 使用マニュアル

ANDOR CCDで撮影した画像をダーク、フラット処理するためのプログラムのマニュアルです。
また、ファイルがa????.fitsという表記ならそのまま使えます。(????は連番の数字であること)

必要なもの

準備

の2つをパスの通っているディレクトリに置いて、実行権限を与えてください。 例えばパスが通っているディレクトリを~/binとすると darkflatlst2.sh,reduction1.clが置いてあるディレクトリで以下を実行します。

mv darkflatlst2.sh reduction1.cl ~/bin
cd ~/bin
chmod 755 darkflatlst2.sh reduction1.cl

続いて、ホームフォルダにある"login.cl"に以下の文を追加してください。

task $reduction1 = ~/bin/reduction1.cl

使用手順

リスト作成

画像データがおいてあるディレクトリに「lst」というディレクトリを作成する。 「lst」内にviなどのエディタを用いて使用する画像についてのリスト(テキストファイル)を作成する。 このリストの名前は「dark」「flat」「obj」であること。

mkdir lst
vi dark

必要なリストは以下の通り。
dark (記述規則は  [露出時間] [始まりの番号] [終わりの番号])
flat (記述規則は  [フィルター] [露出時間] [始まりの番号] [終わりの番号]
obj  (記述規則は  [フィルター] [露出時間] [始まりの番号] [終わりの番号]
例えば、以下の図のような感じで。

上から順に、dark, flat, obj の例です。 フィルターの部分は小文字、大文字が一致していればいいです。

現在のディレクトリ構造は次のようになっている。

作業ディレクトリ ┳ a0001.fits
                 ┣ a0002.fits
                 ┣ .
                 ┣ .
                 ┣ .
                 ┗ lst ┳dark
                        ┣flat
                        ┗obj

プログラム実行

xgtermを開いてirafを起動し、作業ディレクトリに移動します。

xgterm -sb &

(ここからはxgterm上で。)

cl
cd [作業ディレクトリ]

そして、irafのパッケージを読みだします。

noao
imred
generic

あとは実行するだけです。

reduction1

実行内容は
  1. ダーク画像の中間値合成 (出力ファイル:dark*.fits、アスタリスクには秒数が入ります。)
  2. フラット画像・天体画像から合成したダーク画像を減算 (出力ファイル:b*.fits、処理終了後には削除されます。)
  3. フラット画像の平均値合成、規格化 (出力ファイル: ?flat.fits, n?flat.fits、?にはフィルター名が入ります。)
  4. 天体画像から規格化したフラット画像を割り算 (出力ファイル:c*.fits)
というわけで、ダーク処理・フラット処理をした結果がc*.fitsとして出力されます。
また、使用しなかった生画像(a*.fits)は消去されます。
もし、失敗してやり直す場合は、合成されたダーク画像(dark*.fits)やフラット画像(*flat*.fits)、また処理途中の出力結果(b*.fits, c*.fits)は削除してからやり直してください。

ログ確認

処理を実行すると、dark.log, flat.log, obj.log という3つのログファイルが出力されます。 ※これらの結果はlst内の情報を基にしているので、fits headerを読み込んでいるわけではありません。

あらかじめ用意してあるダーク、フラットを使用する場合

処理の段階では、lst/objに記載してある秒数から使用するダークを、フィルター名から使用するフラットを決めるので、プログラム中にどの画像を合成したかは関係ありません。
例えば別の日に撮影した場合など、ダーク・フラットがあらかじめ用意してある場合も力技で実行できます。
この状態で実行すると、あらかじめ用意したダーク、フラットで処理できます。
用意したダーク・フラットのファイル名がlst/objに記載されている秒数・フィルターと合っているか注意してください。(特にフィルター名の大文字・小文字など)


wrote on 2012/2/12 by天文学研究室 M2 中川辰一