連続測光プログラム 使用マニュアル

IRAFのAPPHOTを用いて多くの画像を測光するためのプログラム使用法です。 画像のファイル名はc????.fitsであることを前提としています。
また、すでに手作業で測光作業が出来る人向けに書いてあります。

準備

の4つをパスの通っているディレクトリに置いて、実行権限を与えてください。 例えばパスが通っているディレクトリを"~/bin"とすると 上の4つが置いてあるディレクトリで以下を実行します。(ターミナルで)

mv imsh.cl mkgap.sh imalign2.sh imalign2.cl ~/bin
cd ~/bin
chmod 755 imsh.cl mkgap.sh imalign2.sh imalign2.cl

続いて、ホームフォルダにある "login.cl" に以下の分を追加してください。

task $imsh2 = ~/bin/imsh.cl
task $imalign2 = ~/bin/imalign2.cl

使用手順

xgterm -sb & ds9 &

(ここからはxgterm上で)

cl
cd [作業ディレクトリ]

2次元化

input と output というリストを作成してから、imcopy で二次元化します。

ls c*.fits > input
!sed -e 's/c/e/g' -e 's/fits/fits[*,*]/g' input > output
imcopy @input @output

これで二次元化されたデータ (e*.fits) ができあがります。
また、不要なファイルを削除しましょう。

imdel @input
del input
del output

画像の位置調整①

一枚ごとに一つの星の座標を取得します。
これには imexamine というタスクを使用します。

imexa e*.fits 1 keep+ log=coords

こうすると、ds9 上に画像が表示され、カーソルが ds9 上にフォーカスします。 ここで、明るくてサチっていない星を一つ選んでください。
その星の上で、「a」を押下すると簡易測光され、結果がxgterm上に表示されます。

さらに、「n」を押下すると、次の画像が表示されます。
同じ一つの星の上で「a」を押下します。これを繰り返して、全ての画像について同じ作業をします。
終わるときは「q」を二回押下します。

これらの結果は "coords" という名前のファイルに保存されていきます。
このimexaの結果 (coords) は1,2行目が簡易測光した重心座標のx,y座標に対応しています。

もし雲ってしまったなど、測定できなかった画像があった場合は画像名をメモしておいてあとで削除してください。
また、もし間違えていた場合はviなどのエディタでcoordsファイルを編集すれば、修正できます。

以下のコマンドで実際に移動します。

imsh2

このスクリプト中では以下の流れで画像の位置調整しています。
まず、coords中の星の重心座標からそれぞれの画像のずれを計算します。
この計算結果 (gap) から、imshiftというタスクを使用して画像を移動しています。

位置調整された画像は g*.fits として保存されています。

必要ない画像を削除します。

imdel e*.fits

画像の位置調整②

g*.fitsの中のどれか一枚画像を測光してください。
測光する星は2つか3つがいいです。

その後、以下を実行してください。 このとき、"lst"という名前のディレクトリがなければ作成してください。

imalign2

ここで、測光した画像の拡張子を除いたファイル名を打ち込んでReturnキーを押してください。(例えば g0001 など)
そうすると画像位置の微調整がされます。
もし、エラーが出てしまう場合

epar imalign

として、その中のtoleranというパラメータの値を1にしてください。

これが終わると、h*.fitsという名前のファイルが出来上がります。

必要ない画像・ファイルを削除します。

imdel g*.fits
del input
del output

測光する星の座標取得

測定する星の座標を取得します。
ここで使用する画像はimalignしたもの (h????.fits) ならどれでも良いです。

h0001.fitsを使用するとすると

imexa h0001.fits 1 keep+ log=phot.dat

測光したい順番に星に合わせて「a」を押下します。
できたら「q」を2回押下して終了します。

ここで得られた星の座標等の情報は "phot.dat" というファイルに保存されています。

測定

実際に測定します。
APPHOTパッケージを読み込みます。

noao
digiphot
apphot

また、使用するリストを作成します。

ls h*.fits > input
!sed 's/fits/mag.1/g' input > output

また、aperture, annulus, dannulus の値をあらかじめ決定しておいてください。
aperture, annulus, dannulusの値をそれぞれ[AP], [AN], [DAN]として

phot @input out=@output coords=phot.dat int- rad- ap=[AP] an=[AN] dan=[DAN]

とするとphot.datというリストにある星を順番に測定できます。
h*.mag.1 というファイルとして結果が保存されています。

apertureなどの値を変えたい場合は h*.mag.1 を削除してからコマンドのphotをやり直しましょう。
また、比較星を変更したり、追加したい場合はphot.datを削除して、作り直すところからやり直しましょう。



wrote on 2012/2/12 by天文学研究室 M2 中川辰一