基底状態への過程
〜電子が基底状態に戻るとき〜



原子は基底状態にある時が一番安定しているので、高いエネルギー状態になると、それより低いエネルギー準位の状態へ段々と移っていき、基底状態に戻ろうとします。

ですから、再結合して基底状態にならなかったものも、すぐに低いエネルギー準位に移っていき、やがて基底状態に戻ります

その時、遷移した準位のエネルギー差にあたる余分なエネルギーを、 として放射します。
下のイメージ図は、再結合してn=3のエネルギー状態になった水素原子が、2段階で基底状態に戻るところです。



遷移のイメージ エネルギー順位 放射される光の波長
n=∞→3
になるとき
λ<8204Å
(P∞)
n=3→2
の遷移
λ=6563Å
(Hα)
n=2→1
の遷移
λ=1216Å
(Lα)

真ん中の水色のイメージ図に注目。

バルマー系列n=3からの遷移が起こる時は、6563Åの波長の光が放射されます。
この放射をHα輝線といいます。



Hα輝線
Back to 水素の電離と再結合