<光度階級>

 

*O9.5型


 →3回電離珪素(SiW)と、バルマー線が絶対光度効果を示しています。
  また、SiWは巨星・超巨星で強くなり、バルマー線は逆に弱くなります。

  SiW(4116.10)とHeT(4120.81)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。


*B0型


 →2回電離珪素(SiV)が、絶対光度効果を表しています。
  SiW(4116.10)とHeT(4120.81)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。
  
  また、中性ヘリウム(HeT)やバルマー線が強く現れていますが、強さの変化はほとんど見られません。
  赤波長では、光度階級が進むにつれ、輝線から吸収線に変化しています。
 


*B1型


 →2回電離珪素(SiV)、炭素(CU、CV)が、絶対光度効果を表しています。
  SiW(4116.10)とHeT(4120.81)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。
  
  また、中性ヘリウム(HeT)やバルマー線が強く現れています。、
  HeTは強さの変化はほとんど見られませんが、
  バルマー線は超巨星に比べ、巨星・主系列星でだんだん強くなっていっています。
 
  赤波長では、光度階級が進むにつれ、輝線から吸収線に変化していっています。


*B2型


 →2回電離珪素(SiV)と、炭素(CU、CV)が絶対光度効果を表しています。
  
  また、中性ヘリウム(HeT)やバルマー線が強く現れています。
  HeTは強さの変化はほとんど見られませんが、
  バルマー線は超巨星に比べ、巨星・主系列星でだんだん強くなっていっています。
  
  HeT(4387.93)とSiV(4552.62)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。
 
  赤波長では、光度階級が進むにつれ、輝線から吸収線に変化していっています。
  


*B3型


 →電離珪素(SiU、V)が、2回電離炭素(CV)絶対光度効果を表しています。

  また、中性ヘリウム(HeT)やバルマー線が強く現れています。
  HeT(4120.81)とHeT(4143.76)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。

  HeTは強さの変化はほとんど見られませんが、
  バルマー線は超巨星に比べ、巨星・主系列星でだんだん強くなっていっています。
 
  赤波長では、光度階級が進むにつれ、輝線から吸収線に変化していっています。
  


*B5型


 →1回電離珪素(SiU)が、絶対光度効果を表しています。

  また、中性ヘリウム(HeT)やバルマー線が強く現れています。
  HeT(4120.81)とHeT(4143.76)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。

  HeTは強さの変化はほとんど見られませんが、
  バルマー線は超巨星に比べ、巨星・主系列星で著しく強くなっていっています。


*B8型


→1回電離珪素(SiU)が、絶対光度効果を表しています。

  また、中性ヘリウム(HeT)やバルマー線が強く現れています。
  HeTは強さの変化はほとんど見られませんが、
  バルマー線は超巨星に比べ、巨星・主系列星で著しく強くなっていっています。

HeIの線はだんだん弱くなっていき、この線の一部は、中性の鉄(FeT)と重なります。
 


*A0型


→水素のバルマー線超巨星で弱く、巨星・主系列星で著しく強くなっています。
  
  鉄(FeU)、ストロンチウム(SrU)などのイオンの線や、中性の鉄(FeT)の線が見え、
  光度階級が進むにつれ、弱くなっていきます。
  FeU(4233.17)とMgU(4481.14)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。


*A2型


→水素のバルマー線は超巨星で弱く、巨星・主系列星で著しく強くなっています。
  
  鉄(FeU)、チタン(TiU)、ストロンチウム(SrU)などのイオンの線や、中性の鉄(FeT)の線が見え、
  光度階級が進むにつれ、弱くなっていきます。
  
  CaT(4226.74)とMgU(4481.14)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。


*A5型


→水素のバルマー線は超巨星で弱く、巨星・主系列星で著しく強くなっています。
  
  鉄(FeU)、チタン(TiU)、ストロンチウム(SrU)などのイオンの線が数多く見られ、
  これらは光度階級が進むにつれ、弱くなっていきます。
  中性の鉄(FeT)の線も見えます。
  
  CaT(4226.74)とMgU(4481.14)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。


*F0型


→バルマー線は弱く、強さの変化は見られません。
 
 電離金属(FeU、TiU、MgUなど)と中性金属(CaI、FeI、MnTなど)の線が多く見られ、
 これらのFeT(4143.88)とFeU(4178.86)、および
     SrU(4215.52)とCaT(4226.74)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。


*F2型


→バルマー線は弱く、強さの変化は見られません。
 
 又、電離金属(FeU、TiU、MgUなど)と中性金属(CaI、FeI、MnTなど)の線が多く見られ、
 これらのFeT(4045.83)とSrU(4077.71)、および
     MgU(4481.14)とBaU(4554.04)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。


*F5型


→バルマー線は弱く、強さの変化は見られません。
 
 又、電離金属(FeU、TiU、MgUなど)と中性金属(CaI、FeI、MnTなど)の線が多く見られ、
 これらのFeT(4045.83)とSrU(4077.71)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。
  特に、MgU(4481.14)とBaU(4554.04)の相対強度は、超巨星〜巨星の光度階級の判定に役立ちます。

 Gバンドは、光度階級が進むにつれ、だんだん強くなっていきます。


*F8型


→バルマー線は弱く、強さの変化は見られません。
 
 又、電離金属(FeU、TiU、MgUなど)と中性金属(CaI、FeI、MnTなど)の線が多く見られ、
 これらのSrU(4077.71)と、Hδ(4101.75)、
     MgU(4481.14)とBaU(4554.04)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。

 Gバンドは、光度階級が進むにつれ、だんだん強くなっていきます。


*G0型


→バルマー線の強さはあまり変化せず、
 中性金属線(MnT、CaT、FeTなど)と、CH分子のバンド(Gバンド)が強く現れます。
 
 ここで、SrU(4077.71)と、Hδ(4101.75)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。
 


*G5型


→バルマー線の強さはあまり変化せず、
 中性金属線(MnT、CaT、FeTなど)と、CH分子のバンド(Gバンド)が強く現れます。
 
 SrU(4077.71)と、CaT(4226.74)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。


*G8型


→バルマー線の強さはあまり変化せず、
 中性金属線(MnT、CaT、FeTなど)と、CH分子のバンド(Gバンド)が強く現れます。
 
 SrU(4077.71)と、CaT(4226.74)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。


*K0型


→金属線が多数見られ、中性カルシウム(CaT:4226.74)がはっきり見えます。
 FeT(4143.88)と、SrU(4215.52)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。

 また、バルマー線の強さは主系列星から、巨星、超巨星に向けて強くなります。


*K2型


→金属線が多数見られ、中性カルシウム(CaT:4226.74)がはっきり見えます。
 また、中性の鉄(FeT)の線は、光度階級か進むにつれ、強くなります。
 FeT(4143.88)と、SrU(4215.52)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。

 バルマー線の強さは主系列星から、巨星、超巨星に向けて強くなります。


*K7型


→金属線が多数見られ、中性カルシウム(CaT:4226.74)は主系列星で強く見えます。
 また、MgH(4780)のバンドがK型の主系列星では特徴的です。
 FeT(4143.88)と、SrU(4215.52)の相対強度は、光度階級の判定に役立ちます。

 バルマー線の強さは主系列星から、巨星、超巨星に向けて強くなります。


*M2型


→TiO分子(TiO)による帯スペクトルが特徴的です。
  また、CaI(4226.74)の線の強さが、光度階級か進むにつれ強くなります。
               
  バルマー線は、光度階級か進むにつれ弱くなります。

 

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